昨日は、山本能楽堂にて「初心者のための伝統芸能ナイト」がありまして、能「融」より地唄に移された地唄「融」を舞わせて頂きました。昨年、祖母の17回忌の追善舞踊会に振付し、10月のリサイタル「山村若の会」にて再演致しました演目です。源融は光源氏のモデルになった人物です。演奏者にとっても「融」は、地唄の最高峰とでもいうような大曲のようです。それだけに初心者の方には少し重い演目ではなかったかと心配しました。好きとか恨みとかというはっきりしたテーマが無く、あるのは月光の下過去の栄華を思い舞うという漠然としたものですから振付にも苦労しましたが、舞だけの力で「融」の世界が伝わればと精一杯勤めました。
さて、本日は菊原光治先生のリサイタルが松竹座でありました。息子達も無事に演奏を勤めることが出来ました。長男が国立文楽劇場より客席が近く感じると申しておりました。2階席で菊原先生の演奏を拝聴しても劇場内で音の響きが大変良く、地唄の室内音楽であるということのよさを十分感じることが出来ました。広いようで意外と狭いというか「やはり松竹座は芝居小屋なんだな。」と嬉しくなりました。
その後、菊原先生主催の打上げに参加させていただきました。「融」の話になって、演奏者の先生の一人が滋賀にある「融神社」で毎年地唄「融」を奉納として演奏されているとのこと。「人里はなれた神社ですが神が存在しているような感じを受ける神社です。」とのこと。出来れば一度参詣したく思いました。
舞台 | comment(0) |
<<地唄舞であることと座敷舞であること | TOP | 地唄(地歌)および地唄舞(地歌舞)について 1>>
comment
| TOP |