山村流 『吾斗ごのみ』日本舞踊上方舞山村流宗家山村友五郎 公式ブログ
2011/10/10 (Mon) 東西名流舞踊鑑賞会『貴船』

こんにちは。山村若です。芸術の秋到来で慌しくしております。
昨日は大叔父・若禄次の追善『若登会』があり「袖香炉」に出演致しました。
宝塚の舞踊会も迫り振付や指導に大童の毎日です。

今週末には、国立文楽劇場にて「東西名流舞踊鑑賞会」があり「貴船」を舞わせて戴く事になっております。

「貴船」は能「鉄輪」から作られた地唄「鉄輪」に謡曲を増補しさらに能に近付けた作品で、山村流の秘曲ともいわれた曲です。女性の嫉妬をうたった代表曲で、丑の刻参りや後妻打ちなど男の僕には大変怖ろしい題材です。

同じ嫉妬がテーマである「葵の上」では、高貴な身分の「六条御息所」が嫉妬心を持つなどはしたないと懊悩しながらも抑えきれずに苦しむのに対して市井の女である「鉄輪」の女性は直情的で最後までその恨みが昇華することはなく、能楽が盛んだったころの女性観が現れている作品です。

地唄舞には珍しい大がかりな二段構成になっており、前段「貴船の社の場」では能「鉄輪」の謡曲をそのまま用いて、後段は「安倍晴明邸の場」として地唄「鉄輪」に加え謡曲を用いての劇的な舞台となります。
地唄舞は女性の為の仕舞として作られただけに謡曲をそのまま取り入れられた形は大曲として扱われたのでしょう。男の僕が舞うとどうしても能楽に近付き過ぎるのが難しいところです。衣裳付でもありますので女形が演じるという形で今回は舞わせて戴こうかと工夫しています。

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プロフィール

山村 友五郎

Author:山村 友五郎
本名・山村 武
文化3年(1806年)創流、上方舞・山村流の六世宗家。祖母である四世宗家、早逝した母・糸(五世宗家を諡)の遺志を継ぎ、平成4年に「若」を襲名。
流祖 山村友五郎よりの歌舞伎舞踊と、京阪神で発展した座敷舞(地唄舞)という二つの流れを大切に、古典の維持・伝承に努め、歌舞伎・文楽・宝塚歌劇等の振付も数多く手がけている。
平成18年には創流二百年舞扇会を開催。
平成26年、流祖の名跡を「六世宗家・三代目友五郎」として襲名。併せて長男が「四代目 若」を襲名。

【賞暦】
平成13年
文化庁芸術祭新人賞受賞
平成15年
舞踊批評家協会新人賞受賞
平成18年
芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞
平成19年
文化庁芸術祭優秀賞受賞
平成20年
日本舞踊協会花柳壽應賞新人賞受賞
平成21年
大阪文化祭賞受賞
平成22年
芸術選奨
文部科学大臣賞受賞
平成27年
日本芸術院賞受章

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