今日は11月6日(木)のそごう劇場における「上方舞と上方文化」で解説をしてくださる演劇評論家の廓正子先生と打ち合わせを致しました。廓(かまえ)先生は私が生まれた時、『女系で続いてきた山村流に男の子が生まれました』と新聞記事に書いてくださった先生です。
「上方舞と上方文化」では地唄「黒髪」と長唄「浦島」を舞わせていただきます。
「黒髪」を舞台で舞わせていただくのは初めてです。着流しで(これも珍しい)舞おうかどうか迷ってます。若津也の形見の縞の小紋と一緒に頂いた襦袢を「比翼」に付けるようと頼んである衣裳が出来上がってから決めようと思っています。
地唄『黒髪』
【詞章】
黒髪の結ぼれたる 思いをば とけて寝た夜の枕こそ
独り寝る夜はあだ枕 袖はかたしく つまじゃと云うて
愚痴な女子の心と知らず しんと更けたる鐘の声
昨夕の夢の今朝覚めてゆかし 懐かしやるせなや
積もると知らで積もる白雪
【解説】
地唄「艶物」の代表的な曲です。
雪の積もる靜かな夜に片袖を夫に見立てて独り淋しく寝る女の思いを詠っています。
「艶物」とは地唄の中でも、捨てられた女心の哀れさを、枕詞、縁語、掛け言葉などによって包み込まれ優艶に詠われた作品を指しています。「黒髪」は手ほどきの曲にも使われますが、子供の頃から嗜みとして地唄や地唄舞に触れ年を経るにつれその曲趣を理解出来るようになり深く味わうようになるというのが、上方文化の奥深さであると思います。
「大商蛭子島(おおあきないひるがこじま)」で源頼朝の正妻・政子への嫉妬の念に悩みながら辰姫が髪を梳くという場面では長唄(めりやす)として用いられています。上方の唄が芝居の中で使用される事や、歌舞伎の曲が上方で流行し地唄になることもあり、芝居に密接な曲の一つです。
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