公式配信からの動画を掲載しております。
第三十九回目は上方唄『瀬田の橋』に二番をご覧いただきます。
第二十一回目にご覧いただいた『瀬田の橋』の一番では、近江八景を詠み込んだ歌詞になっておりましたが、
二番では打って変わって、近松門左衛門作の義太夫『子持山姥』(媼山姥やしゃべり山姥とも)を元にした曲となっております。
『子持山姥』は源頼光とその四天王が活躍する浄瑠璃で、本曲はその二段目『廓噺の段』が読み込まれております。
坂田時行は親の仇を討つために煙草売りに身をやつし、諸国を巡っております。
ある日、時行は大納言兼冬の娘で、源頼光の許嫁である沢瀉姫(おもだかひめ)の館で、三味線と小唄を披露することになります。
放浪の身である夫を追いかけている妻の八重桐は、その唄が自分と夫しかしか知らないものだと気づき館へ入り込みます。
そこで再会を果たした夫婦は夫婦喧嘩を始めてしまいます。
その時の長台詞は「しゃべり」と呼ばれ当時人気だったようです。
結局八重桐の妹が先に仇を討ったこと知った時行は、それを恥じ切腹してしまいます。
生き恥をさらすよりも、死んで八重桐の胎内に宿ることで、産まれてくる子に力を授けようとしたのです。
そうして時行の思念が宿った八重桐は、鬼女となりどこかへ消えてゆくのでした。
trackback
trackback_url
http://yamamuraryu.blog94.fc2.com/tb.php/266-4c31ca9f
| TOP |