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山村流 『吾斗ごのみ』日本舞踊上方舞山村流宗家山村友五郎 公式ブログ
2008/11/13 (Thu) 上方からの目線

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山村流の流祖・友五郎は3代目・中村歌右衛門と子供芝居で共に舞台を勤め、歌舞伎役者となり、後に歌右衛門の振付で振付師としての地位を確立することになります。ですから、歌右衛門さんの「狂乱」ということで「歌右衛門狂乱」という名の演目が残ったりと、山村家では、歌右衛門ゆかりの曲は流祖より伝わっている曲である証であり、特別大切に扱われています。

地唄や上方唄は上方のものであるはずなのに、江戸の地名を詠んだものもあります。
地唄「傾城」上方唄「文月」などがそれにあたりますが、大坂の役者であった歌右衛門が江戸下りの折に勤めた曲を故郷に持ち帰り上方の地でそれが定着し残されたためだと考えられます。

山村流の手ほどきの曲の一つに端唄「夕暮れ」という曲があり、隅田川周辺の情景を詠っていますから、何故うちの手ほどきに使われているのか不思議だったのですが、こんな小曲でも流儀に伝わっていった背景を改めて考えれば感慨深いものがあります。

従来の研究書や解説書を読むと大抵が、東京からの目線で書かれていることに気がつきますが、丁寧に古い大坂の文献や上方絵、歌舞伎番付をたどってゆくと祖母や大叔母、古い師匠達の言っていたことなどが思い当たったり、また、振りの意味が明確になったり「パズル」が解けたような気持ちになる時があります。今のうちにそれを文字にしておきたいと思ったことが「流誌」を発刊したり、ブログを始めたりした動機です。

上方の目線で遺されたものを検証し、次の時代に伝えたい。これも大切な使命だと思っています。

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プロフィール

山村 友五郎

Author:山村 友五郎
本名・山村 武
文化3年(1806年)創流、上方舞・山村流の六世宗家。祖母である四世宗家、早逝した母・糸(五世宗家を諡)の遺志を継ぎ、平成4年に「若」を襲名。
流祖 山村友五郎よりの歌舞伎舞踊と、京阪神で発展した座敷舞(地唄舞)という二つの流れを大切に、古典の維持・伝承に努め、歌舞伎・文楽・宝塚歌劇等の振付も数多く手がけている。
平成18年には創流二百年舞扇会を開催。
平成26年、流祖の名跡を「六世宗家・三代目友五郎」として襲名。併せて長男が「四代目 若」を襲名。

【賞暦】
平成13年
文化庁芸術祭新人賞受賞
平成15年
舞踊批評家協会新人賞受賞
平成18年
芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞
平成19年
文化庁芸術祭優秀賞受賞
平成20年
日本舞踊協会花柳壽應賞新人賞受賞
平成21年
大阪文化祭賞受賞
平成22年度
芸術選奨
文部科学大臣賞受賞
平成26年度
日本芸術院賞受章
令和2年(2020年)
紫綬褒章受章

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