11月22日(土)の国立劇場『舞の会ー京阪の座敷舞』で着る「道中双六」の衣裳がようやく出来上がってきました。若津也の形見の縞小紋の直しがなんとか間に合いました。やわらかい茶系統の縞が東海道の宿場宿場をめぐっていくイメージに合うような気がしています。
着物の「いき」というのは関東と関西では違いますが、色目、柄だけでなく、着方にも違いを感じます。例えば、女性の襟の合わせ方や男性の袴も(山村では、かもしれませんが)「ずろっと」長めに着て、袴が高いのは嫌がります。座敷舞では足元をうるさく言うためかもしれません。
また、同じ演目でも上方舞各流の好みがあるように思います。そういった「好み=いき」の違いも『舞の会』のお客様に見ていただければと思っています。
地唄(地歌)「道中双六」
【詞章】
筆の鞘 焚いて待つ夜の蚊遣りより 香のすがりは簪の 算木も捨て 車座に
廻り初める双六は 五十三次手の内に 投げ出す賽の目くばせに 壁にまじまじ 大津絵の
振り出す遣り手先払い 座敷踊りの中入に 仲居が運ぶ重箱は 姥が餅かと口々に
坂は照る照る鈴鹿の茶屋に 花を一もと 忘れてきたが 後でや後で咲くやら それ開くやら
よいやな ああ よいの土山雨と見て 曇るさし日を迎い駕 人目の関に門立ちの赤前垂の夕でりに
おじゃれおじゃれの手を引いて おっと 泊まりの床とれば 眠ぶる禿の浪枕
七里も乗らぬ曳き船に 綱手かなしむ憂いおもい 一間に籠る琴の音は岡崎 岡崎女郎衆ははし女郎衆 一夜妻から吾妻路に夜も赤坂のきぬぎぬに かざす扇の裏道を見附越すほど恐ろしき
音に聞こえし大井川 岸の柳の寝乱れて ここは島田の逗留かいなさればいな つもるなさけの雪の日は 不二に雲助ぶらぶらと 格子の外のころび寝に 夢は三島 箱根山 上り下りの恋の坂 飛脚の文の神奈川や 御ぞんじよりの土産には 江戸紫のエ
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