明日は『舞の会ー京阪の座敷舞』の下合わせ、22日は本番です。舞の会は国立劇場主催だけに、上方舞の舞踊家にとっては一年を締める大切な舞台です。
舞の会の楽屋は、「井上さんとこ(井上流さん)」の隣りが、「うちとこ(山村)」、で、「楳茂都さん(楳茂都流さん)」「吉村さん(吉村流さん)」とそれぞれお流儀ごとに入らせていただくようになっています。
上方舞は流儀も少ないだけに何となく親戚のような感じです。舞台前には「お先に舞わせてもらいます。」舞い終わったら「お先でした。」とそれぞれの楽屋を廻ります。
楽屋の中も家族のような雰囲気で、大きなお師匠さん方がいらした頃は、若榮、若しげ、若津也、楽正、大叔母(久子)と鏡台の位置も決まっており、奥から大きいお師匠さんの順に座っていました。本名の山村武で出演したのが1回目で、家元を継いでからは、大叔母が気を使い鏡台の順を代わってくれたのも懐かしい思い出です。
楽屋ではさんざん冗談をいいながら、「行ってきます。」と言って、舞台に立ったら鎬(しのぎ)を削る真剣勝負ー。
ここ近年は楽正お師匠さんとずっとご一緒でした。昨年までで最多出演だったお師匠さんは、今回休演。朗らかで華やかな楽正お師匠さんの鏡台前はいつものようにあけておくつもりです。
平成2年から毎年出演させていただき、子歳の前の年に「ねずみの仇討ち」をと、一回りして2度舞った他は毎年違う演目を出しているので、随分地唄を舞わせていただいたことになります。
「さあ、明日から東京に行ってきます。」
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