明日の伝統芸能ナイトは「越後獅子」を舞わせていただきます。地唄舞といえば、扇ですべてを表現するというイメージがありますが、「越後獅子」は小道具を多く用います。本物を持つことが扇で表すよりたやすいように考えますが、実際は雑に扱うと舞が台無しになってしまいますので神経を使う演目です。
地歌 『越後獅子(えちごじし)』
【解説】
越後地方の直江津・米山・糸魚川などの地名に八目鰻、とうき、黄蓮、いとより、越後縮みなどの名物が掛詞を用いて、情緒豊かに詠われています。越後獅子とは、越後国蒲原郡月潟地方から出稼ぎに来た門付け芸人で、小さな獅子頭をかぶった子供が鞨鼓をつけて軽業を見せ、獅子舞を舞った角兵衛獅子の事です。三代目歌右衛門が江戸市村座でライバルであった三代目・坂東三津五郎の七変化に対抗して作った「遅桜手爾波七字(おそざくらてにはのななもじ)」の中に、この地歌をもとにした長唄「越後獅子」があり今日でも人気曲となっています。
地唄舞では、あくまでも大道芸にならず、座敷でまっているという心を忘れず、品良く舞わねばならないといわれています。
【詞章】
越路潟 お国名物さまざまなれど 田舎訛りの片言交じり
白うさぎなる言の葉に
面白がられしそうな事を 直江浦の海女の子が
七つか八つ目鰻まで うむや網その綱手とは
恋の心も米山の とおき浮気で黄蓮も なに糸魚川糸魚の
縺れ縺るる草浦の 油漆と交わりて 末松山の白布の 縮みは肌の何処やらが
見え透く国の風流を うつし太鼓や笛の音も
弾いて唄うや獅子の曲
向い小山の紫竹竹 枝節揃えて 切りを細かに 十七が
室の小口に昼寝して 花の盛りを夢に見て候
(手事)
夢の占象(うらかた) 越後の獅子は 牡丹は持たねど 富貴は己が
姿に咲かせ舞い納む 姿に咲かせて舞い納む
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